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『増補改訂版 三好達治研究』
2014/05/31(Sat)
【書名】増補改訂版 三好達治研究
【発行日】昭和五一(一九七六)年一〇月一五日
【発行所】教育出版センター
【シリーズ】研究選書・13
【体裁】A5判上製、丸背藍クロース貼り厚表紙、機械函入り。
【頁数】四四三頁
【定価】六八〇〇円
【目次・内容】
第一章 三好達治の世界
 1 三好達治論序説
 2 川沿いの家―詩人の生い立ちをめぐって
 3 朝の旅人―その少年期について
 4 はるかなるものみな青し―青春の感傷性
 5 少年の日も人を恋ひゐし―抒情と宿命
 6 乱世の文学―『駱駝の瘤にまたがって』
第二章 三好達治の詩の形成
 1 昭和詩の形成―順三郎と達治をめぐって
 2 三好達治と同人雑誌―「青空」参加より「詩・現實」終刊まで
 3 続・三好達治と同人雑誌―「四季」創刊より「文學界」終刊まで
第三章 作品論への試み
 1 『測量船』論
 2 「甃のうへ」試論
 3 「雪」とその周辺
 4 「Enfance finie 」の世界
 5 「測量船」の短詩
 6 「頬白」一つの生命
 7 「大阿蘇」-達治における覇旅の詩
 8 「捷報臻る」をめぐる
 9 「雪はふる」―北陸流寓の詩
第四章 三好達治書誌研究
 1 新資料「蜂」等について
 2 三好達治新資料書簡―三国流寓をめぐる
 3 研究展望
 4 詩のなかの三好達治
 5 三好達治の詩集
 6 達治の俳句
 7 達治の短歌
 8 研究の視点
 9 研究文献目録総覧
 10 書誌一覧・解題
 年譜―付、同時代史
 初版あとがき
 「三好達治の世界」まえがき
 増補改訂版あとがき
【解題】
 とにかくたいへんな大著である。本書は初版本『三好達治研究』と『三好達治の世界』を併せ、版を改め、さらに加筆訂正され、前二著以後の三好達治論を加えたものである。昭和三八年一二月号「国文学」に「甃のうへ」論を発表して以来、十五年近くに渉る小川和佑先生の三好達治研究の集大成。
 圧巻はやはりその書誌研究。今こうして小川和佑著書目録を作成しているにつけ、先生の書誌研究がいかに大変だったか本当に実感として分かる。考えただけでも気の遠くなるような作業である。夭折した立原道造でさえ相当なものなのに。もちろんこれは研究の基礎に過ぎない。が、正確にその作品を読み、読解し、さらに批評しようと思ったら、是非とも必要な作業である。当の作者である詩人・作家の立場から言えば、また後代の研究家にしてみれば、全くありがたいことだと言わねばならない。
 ところで、すでに昭和四五年以前に書かれた第一章「三好達治の世界」の冒頭はこう始まる。
 
 若山牧水は〈さくら〉という、たぶんにこの詠題的な、通俗的といっていい歌の素材をもう一度、桜花そのものの詩的感動に還元することに成功した明治以後の最初の歌人であった。 ──「1 三好達治論序説」
 
 ここ十余年間(平成三年ころから)の比較的最近学生だった者にとっては、馴染み深い言葉が出てきたのではないか。今や先生は、「四季」の詩人はじめ昭和十年代の文学研究を中心とした国文学者というイメージより、すっかり「桜の文学」の伝道者といった趣を呈してきたが、そうなるにはやはり一朝一夕ではないのだった。
☆西山蔵書
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『リトル・マガジン発掘』
2014/05/22(Thu)
【書名】リトル・マガジン発掘 ―文学史の水平線
【発行日】昭和五一(一九七六)年八月三一日
【発行所】笠間書院
【シリーズ】笠間選書・61
【体裁】B6判ソフトカバー、透明梨地ビニール付。
【頁数】一七三頁
【定価】一〇〇〇円
【目次・内容】
 1「地球」第二次 「葦」―戦後の抒情の原点
   二種の「地球」創刊号
   第二次「地球」創刊
   「葦」創刊
   戦後思想をめぐって
     資料 「葦」創刊案内状  葦の会通信
 2「零度」―詩的青春の出発
   詩的青春の出発
   「零度」の出発
   「零度」創刊
   第二次戦後派としての「零度」
   金井直の場合
   「零度」終刊
     資料 山本太郎「零度」初出稿一覧
 3戦後時代思潮と「アルビレオ」
   創刊まで
   星の名―白鳥の嘴
   串田孫一をめぐって
   機械文明と精神の復権
     資料 『アルビレオ詩集』細目
 4「貘」―文学史の水平線
   文学史の水平線
   詩的青春の復権
   ネオ・ファンテジズム
   青春の収穫―「貘」その後
     資料 「貘」同人詩集一覧  「貘」同人名簿
 5「葡萄」―新しき原点へ
   「ユリイカ」まで
   続「ユリイカ」まで
   昭和三十年代の抒情的宇宙
   原点への回帰
年表・現代詩史 1945-1970
 あとがき
【解題】
 文学の営為は、もともと商業とは別のところ、つまり同人雑誌にその本流があるとみていい。文学の歴史はそのまま、これらリトル・マガジンの歴史といっても差し支えない。しかし、同人誌からやがて商業誌へと発展していったものや、一部の有力同人雑誌を除いて、語られることは少なかった。しかも、小説中心の同人誌の場合は、やがて職業作家として巣立っていく者が多かったから、別の視点から語られることもあったが、詩の場合は、ごくごく一部の人を除いてそもそも職業詩人というのが存在し得ないことから、尚更である。が、逆にリトル・マガジンへの依存というのか重要性は増し、それなしには語り得ないということになる。
 そこで、それを発掘しようというのだが、問題を論じる以前に、まずその収集自体からして相当な困難を伴う。本書ではひとまず、「全巻の閲読が可能になった『地球』『葦』『零度』『アルビレオ』『葡萄』『貘』の昭和二十年代の五誌について稿を起こした」(あとがき)ということになるのだが、現在ではそれさえも不可能だろう。
 本書は、小川和佑先生の同人雑誌への愛情、ひいては文学への限りない愛着が滲み出ている一書で、巻末の「年表・現代詩史」はたいへんな資料である。
 なお初出は、明大の後輩にあたる詩人の嶋岡晨氏が編集していた「無限」。昭和四九年七月から本書刊行時にも断続的に書き継がれていた。
☆西山蔵書 ◎五十嵐蔵書
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『現代詩・土着と原質』
2014/05/18(Sun)
【書名】現代詩・土着と原質
【発行日】昭和五一(一九七六)年五月一〇日
【発行所】教育出版センター
【シリーズ】以文選書・11
【体裁】B6判上製、丸背クロース厚表紙、カバー付。
【頁数】二五一頁
【定価】一六〇〇円
【目次・内容】
 第一章 心象空間・詩の原点
  1 心象空間・詩の原点
  2 抒情と映像空間
  3 現代詩における性と愛
 第二章 土着回帰と現代詩
  1 序説・幻影の家郷
  2 土着回帰と現代詩──片岡文雄と仁淀川
  3 詩と日常のあいだ
  4 等距離の鏡──状況と存在
  5 放浪と懐郷──土橋治重の詩と軌跡
  6 人間の源流に向って
 第三章 虚妄としての行動の思想──現代詩と小説と
  1 虚妄としての行動の思想──三島由紀夫論
  2 現代における愛の解体
 あとがき
【解題】
『詩神の魅惑』『昭和文学論考』に次ぐ三冊目の文学論集。収録された十一篇の論考は、昭和四六年六月から同五〇年一〇月にかけて各誌に発表されたものだが、雑誌の要請に基づいて書かれたものではない。前二作と大きく異なるのは、「文学史的展開」によるのではなく、「現時点における文学の状況を踏まえた」(あとがき)ものであるということ。ということは、これに先立つ『詩の妖精たちはいま』と、約十年後の『詩の状況・詩の現在』の系譜に存するということにもなる。
 
 現代の文学は衆に拡散することによって、本来、個であるべき文学の原質がいちじるしい崩壊に直面している。衆に拡散する潮流と、個に回帰しようとする詩人の精神との対流を論じようとするところに、本書の主題がある。(中略)文学がその原質の個に回帰しようとして結果的には再び衆に吸収されていってしまうのではないか。そういった文学の状況としての危機感がこれらの論を書かせたことになる。──「あとがき」
 
 それから四半世紀。二十一世紀に突入しようという現在も、相変わらずこのことは言えるので、というより、益々その危険を孕んでいる。いやもうそういう状況になっている? たとえば、ヒットラーなども、圧倒的な大衆に支持されて、合法的にしかも民主主義に則って登場するのだった。特に日本人には、本当の意味での個人主義はまだまだ根づいていない。好き勝手にやっているように見える若者たちも、結局マスに支配されている。──この稿、平成一二(二〇〇〇)年の執筆。
◎五十嵐蔵書
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