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『〝美しい村〟を求めて 新・軽井沢文学散歩』
2014/10/25(Sat)
【書名】〝美しい村〟を求めて 新・軽井沢文学散歩
※奥付などには括弧が付いていないが、本体表紙とカバー背表紙の表題は『〝美しい村〟を求めて 新・軽井沢文学散歩』となっている。
【シリーズ名】YOMI BOOK
【発行日】昭和五三(一九七八)年八月一日
【発行所】読売新聞社
【体裁】新書判。口絵四頁にカラー写真一〇枚。巻末に折り畳式に「文学碑案内図」が付属。装幀・熊谷博人。
【頁数】二〇六頁
【定価】五〇〇円
【目次・内容】
序章 あるプロローグ
  軽井沢の祭礼   吉行理恵さんのセーター   夏の青春
  中山道・軽井沢宿    信越線の開通
  宣教師ショーの発見   忘れられた記念碑
第一章 有島武郎・その純粋と死と
  作家の死   有島武郎の恋   六月の悲歌
第二章 沙羅の木蔭・芥川の恋
  あいみざりせば   続あいみざりせば   芥川龍之介の詩
  再び夏に    龍之介・犀星・朔太郎   野にかかる虹
第三章 美しい村
  村はずれの歌   軽井沢と堀辰雄   高原の風
  マンペイ・ホテル   千ヶ滝山荘   美しい村
第四章 さらば夏の光
  廃駅・追分   泡雲幻夢童女   風立ちぬ
第五章 軽井沢の青春
  もうひとつの軽井沢   桜沢の犀星山荘   詩のなかの少女
  沓掛の夏   落葉松はさびしかりけり
第六章 信濃の歌
  信濃の歌   ゆうすげびと   鮎の歌   冬の旅
第七章 川端康成の軽井沢
  芥川賞受賞作『乗合馬車』   一本の樅の木   油屋炎上
第八章 軽井沢いくたび
  幸福の谷   幾とせの夏   犀星詩碑   熊の宿
 参考文献:P192
 軽井沢文学年表:P193~203
 あとがき
小川和佑著『〝美しい村〟を求めて 新・軽井沢文学散歩』カバー
【解題】
 もうこれを読んだら、すぐにでも軽井沢に飛びたくなる。文学っていいなと思う。軽井沢っていいなと思う。ああ青春だと思う。そして僕らにとっては、小川和佑先生と歩いたあの夏の終わりの日を思い出すのだ。しかし、僕らが最初に先生と一緒に歩いた昭和六一年よりも、これは八年も前に書かれているのだった。
 どちらが正式な書名なのか不詳だが、本体の表紙とカバー背表紙は『〝美しい村〟を求めて』と括弧付きの表題になっている。もちろんこれは堀辰雄の小説『美しい村』を念頭に置いたものである。軽井沢を一般的な意味で「美しい村」と言おうとしているわけではないので、やはり括弧付きの表題の方が意図するところであろう。

 軽井沢という特異な風土を枠組みに、その文学と文人を書こうとした。
 しかし、文学散歩とか、風土論といった案内書としては書こうとは思わなかった。むしろ、軽井沢という風土にあっての文人群像を、時代を追って、文献資料的に検証しながら描いてみたかった。
 ……  ……
 本書の構想は、高度経済成長が終り、時代の潮流が次第に方向を転じていった頃に萌芽した。三十年という時間は一世代の転成期である。軽井沢の詩的饗宴の文学、それは現在書かねば遂に遠い非在のもとなろう。
 軽井沢にまだ昔日の自然とそこに生きた文人たちの面影の残っているうちにこれを書いて置きたかった。
 中村真一郎先生の「幾とせの夏といわずや……」という古詩の詩句は、また本稿の主題でもあった。    ――「あとがき」
 


 昭和はすでに遠くに去り、平成も三十年になろうとしている今となっては、よくぞ書き残しておいてくれたと思う。あとがきには「昭和五十三年夏」とある。まったく個人的なことになるが、この時十五歳だった私は同じ夏にいわば括弧付きの〝文学〟というものに出喰わしたのだった。
☆西山蔵書
※補完:2017/12/29(Fri)
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