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『立原道造の世界』
2014/11/12(Wed)
【書名】立原道造の世界
【シリーズ名】講談社文庫・62/1 C68
【発行日】昭和五三(一九七八)年一〇月一五日
【発行所】講談社
【体裁】文庫判(カバーは講談社文庫の初期スタイル)
 カバーデザインは伊藤憲治。「この文庫版の一冊は、立原道造の久松小学校時代の同級生でデザイナーであり、盛岡の立原詩碑の設計者である伊藤憲治氏の装本に成る。これは私にとって望外な喜びであった」〈文庫版に収めるにあたって〉
小川和佑著『立原道造の世界』カバー
【扉・口絵】二頁、アート紙。表・昭和13年銀座にて(近藤武夫撮影)、裏・水戸部アサイに渡した自宅略図(昭和13年5月)
【頁数】四四〇頁
【定価】四六〇円
【目次・内容】
 第一章 立原道造の世界
  1 十四行詩における花の位相
  2 立原道造と葛飾
  3 詩の形成
  4 あひみてののちの・鮎の歌
  5 道造詩の語法
  6 萱草に寄す・暁と夕の詩
  7 風を主題とする詩
  8 立原道造と同人雑誌
  9 続・立原道造と同人雑誌
 第二章 夭折者の文学
  1 「物語」のアンリエット実像
  2 詩集『優しき歌』の主題と構想
  3 新資料水戸部アサイ宛書簡をめぐって
  4 詩集『優しき歌』の成立
  5 風土的転位後の可能性
  6 夭折者の運命
 第三章 立原道造をめぐる詩人たち
  1 三島由紀夫における詩的出発
  2 吉本隆明の風
 第四章 解題・新資料
  1 立原道造研究の指標
  2 新資料水戸部アサイ宛書簡・解題
  3 立原道造年譜
  新版『立原道造研究』後記(昭和五二年 春)
  文庫版に収めるにあたって――覚書にかえて
  (一九七八年 秋)
【解題にかえて――「新版『立原道造研究』後記」と「文庫版に収めるにあたって」を抜粋要約】

 新版『立原道造研究』は、同名の旧版の増補改訂版ではない。この一書は既刊の私の立原道造に関する諸論の集成といったものではなく、全く新らたな一冊である。
 立原道造研究に関する私の最初の一冊は、審美社版の旧版がそれである。この一九六九年刊の論考は、その後次次と発見された新資料等によって、旧版の延長上にある論が、その後も書き継がれていった。
 この一冊を書き終えた時点で、立原に関して、もし彼に残されているものが今後にあるとすれば、彼の個個の作品を対象とした作品研究であろうし、また詩人の生涯に関する伝記的研究であろうと、この旧版のあとがきに記した。この課題によった論は、その後、増補改訂版としての五月書房版『立原道造論』となり、――それとともに二冊の評伝、教養文庫版『優しき歌・立原道造の詩と青春』、文京書房版の『立原道造・忘れがたみ』となった。
 旧版刊行後、六巻本の新『立原道造全集』が刊行され、新らしい事実、資料等が加えられた。(ほかにも幾多の新事実が明らかになった)。
 しかし、この新版を執筆するに当って重要な動機となったものは水戸部アサイ氏から手渡された立原道造の同氏にあてた十五通の新資料書簡と、拙宅を訪問してくれた同氏の回想であった。
 この新資料によって、私の旧い立原論は決定的に訂正されねばならなかった。これらの新資料書簡は立原の夭折直前の文学と思想に関するのみならず、私に旧著を破棄させて、新らたな立原論考の着手をうながすことになった。
 本書の構成は旧版に倣って、序章および本章四章をもって構成した。「四季」という文学的気圏を無視して、立原論は成立しない。立原の文学を個という枠組において限定せず、昭和文学、昭和精神史において全的に把握しようとした旧版の意図は、むしろこの新版においてより強く意識している。
 本書『立原道造の世界』は、文京書房版『立原道造研究』より、第一章から第四章までの、主として詩人論に関する部分を抜粋、再構成したものである。今回、この講談社文庫に収めるにあたって、文庫本という性格を考えて、文京書房版をそのまま収録することをしなかった。


☆西山蔵書 ◎五十嵐蔵書
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